第238号「ムダとり 仕事術」
-◇-渥美 由喜 著
「ムダとり 時間術」
日本経済新聞社(日経文庫) 2012年 1,000円
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■ 本書の概要
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が聞かれるようになって久しい昨今、本書では、その運用に欠かせない”時間管理”や”生産性向上”の具体的なノウハウから、その成果を”人事考課”に反映させる際の考え方がコンパクトにまとめられています。
”労働時間や残業時間の長さ”以外の人事考課の軸を見つける参考となる一冊です。
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■ おすすめポイント
労働力人口が減少する中で、子育てや介護など、時間の制約なしに働ける従業員の数は、今後ますます減少することが予想されています。
このような環境の中で、仕事をより良く補完する「ライフ」の充実を図るには、「ワーク」をどのように見直せば良いか、おもに「時間」という観点から多くのアイデアが紹介されているのが本書の特徴です。
「ワーク」を充実させる第一歩は、自分の1日の業務(タスク)を時系列で書き出し、給与と労働時間から計算した自分の時給を「コスト」として掛け合わせながら、その仕事がそれだけ「コスト」に見合うかどうかを「見える化」することから始まります。
「コスト」に見合わない業務を、上司・同僚・顧客などと協力しながら”ダイエット”して、1日の所定労働時間の中でより生産性の高い業務の割合を増やしていくことが「ワーク」の充実のためには不可欠となります。
また、このように、評価の「軸」が”時間の長さ”から”量や質”に変化した場合の「人事考課」へのアイデアもいくつか紹介されており、『難易度×時間数=チーム貢献ポイント』、創意工夫で業務の標準時間を下回る速さで完成させたら『生産性向上ポイント』、アクセス数の多い資料や雛型を作成した人には『表彰制度』などが挙げられています。
実際に、1日のタスクを書き出してみると、通常業務も突発業務も、その対応に思ったほど時間がかかっていないことがわかります。その他の時間は何をしているんだろうなあ、と考えた瞬間から「時間管理」が始まっているのかもしれません。
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