第248号「プロセスにこそ価値がある」
-◇-村山 昇 著
「プロセスにこそ価値がある」
メディアファクトリー(メディアファクトリー新書) 2012年 777円
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■ 本書の概要
人事考課では「結果を出すまでのプロセスも重視すべき」だと言われますが、その「プロセス」について正確に説明するとなると、難しいものです。
この本では、「プロセス」の意義から、それをレベルアップさせ、かつ持続させるための考え方やノウハウが多数紹介されています。
結果を出すのが難しい、時間がかかる仕事を抱える部下の考課に役立つ一冊です。
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■ おすすめポイント
一般社員の68%、中間管理職の48%が「プロセスを重視」と回答しているにも関わらず、実際の現場では『(量的な)成果』が重視され、個々の従業員の生産性や創造性が上がらなくなっている。
本書ではこの点に問題意識を持ち、成果主義をよい方向へ持続的に機能させる「プロセス主義」の考え方と、その高め方について解説しています。
ここで言う「プロセス」とは、『たゆまぬ努力や創意工夫、持続力、習慣といったもの』と定義されています。
これを高めるためには、成果主義でいう「目標」にプラスして、『なんのために~』という「意味」を持つことが最も大切であると述べられています。
それを見つける具体的な方法として、『私は○○を売っています』という”○○”に『自分が仕事を通じて提供したい価値』を書いてみるという方法が紹介されています。この「意味」を掲げて日常業務を進めることで、持続的により質の高い成果を追及することができると強調されています。
また、目標に対するプロセスを充実させるべく、「(なんでも)書き留める」「(なんでも)読む」「書き起こす(意見をまとめる)」「(未完成でも)発信する」「つながる(ネットワークをつくる)」「(7割結果が見えたら)試す」「ゲーム化する」「客観視(見える化)する」「破る(小さくはみだす)」など、筆者が実際に取り組んだ方法も紹介されています。
被考課者の評価への納得性を高める要素として、「プロセス評価」の大切さがよく言われていますが、一方で、日頃の部下の観察から、評価につながる「プロセス」を探し出すことはとても難しいことです。本書を読んで、部下にプロセスの「見える化」を提案してみるのも有効かもしれません。
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