第160号「等級制度を設けるには?」
-Q-最近、人材育成の必要から、等級制度を設けようと考えています。
どのような切り口で設定すれば良いのでしょうか。
-A-社員の入社から定年退職までをシミュレーションしながら、それぞれの節目を
等級の切り口としてみてはいかがでしょうか。
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■ まずは、入社から定年退職までを追いかけることから
一般的に等級制度とは「能力と役割を共通のモノサシで測って区分したもの」と定義されます。
急に「モノサシ」「区分」と言われても、どこにどんな線を引けば良いのか、手がかりがありませんね。
そこで、まずは、標準的な社員をモデルに、入社から定年退職までをシミュレーションしてみることをお勧めします。
実際に在籍している社員の年齢や役職を見ながら、勤続何年で、または何歳で、「仕事」や「役職」の節目(習熟や昇進など)を迎えるか追いかけていきます。
例えば、大学卒(22歳)で入社して、周囲の手助けなしで仕事ができるのが3年後(25歳)、主任になるのがその5年後(30歳)・・・部長になるのが20年後(50歳)、などと、節目となる勤続年数や年齢・役職を明らかにしてきます。
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■ 「節目」=「区分」
上で明らかになった仕事や役職の「節目」は、そのまま等級の「区分」となります。区分より先が上位等級、区分までがその1つ下の等級となります。
とは言え、全ての「節目」を等級にすると、あっという間に10以上の等級ができてしまう場合があります。あまりに等級が多いと、昇格(等級が上がること)等の運用が煩雑になるため、該当者の少ない所は前後の等級と統合するなど、できる限り集約することが望ましいところです。
等級数の目安は、従業員数100人までの企業は3~6、それ以上の規模では10~15程度と言われています。
そして、等級が確定したら、それぞれに該当する「役職」や「呼称」を対応させ、実際にその等級に上がるまでにはどのような「能力」が必要かを、下位の等級から階段式にまとめていきます。
具体的には「業務遂行能力」と「人材育成」、「上長の補佐」をどの等級にどこまで求めるかを定義したものがよく見られます。
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第159号「ホワイトカラー18職種の賃金」
-◇- 2009年度『能力・仕事別賃金実態調査』
~ホワイトカラー18職種の職種別賃金を全国調査
(公益財団法人 日本生産性本部 2010年4月)
・調査対象:上場企業及び全国生産性機関に加盟の賛助会員693件
・調査時期:2009年10月14日~12月25日
・調査方法:郵送等による調査
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■ 調査結果Ⅰ【等級別賃金相場(抜粋)】
(いずれも実在者の平均所定内賃金・全国正社員数100人未満)
※( )内は前回調査の賃金額
役職・職責等に応じて、全社員を10等級に区分し、3~10等級に該当する実在社員の平均額を回答してもらった。
・部長相当(10等級) 【 504,800円(517,100円) 】
・次長相当(9等級) 【 449,500円(443,900円) 】
・課長相当(8等級) 【 388,400円(390,400円) 】
・係長・主任相当Ⅰ(7等級) 【 335,300円(316,200円) 】
・係長・主任相当Ⅱ(6等級) 【 284,800円(280,000円) 】
・一般職Ⅰ(5等級) 【 242,300円(235,200円) 】
・一般職Ⅱ(4等級) 【 215,500円(221,900円) 】
・一般職Ⅲ〔大卒初任〕(3等級) 【 207,100円(196,600円) 】
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■ 調査結果Ⅱ【職種別賃金相場(抜粋)】
(いずれも実在者の平均所定内賃金・全国正社員数100人未満)
※( )内は四国地区全規模平均
(1)営業・販売関連
・大規模店長 【 477,200円(436,100円※)】
・中規模店長 【 443,400円(411,300円) 】
・小規模店長 【 372,500円(354,400円) 】
・店長アシスタント 【 340,600円(300,900円) 】
・営業(新規開拓を含む) 【 330,300円(297,100円) 】
・営業(ルートセールス等) 【 284,800円(278,500円) 】
(2)システムエンジニア関連
・システムコンサルタント 【 482,700円(328,000円*)】
・プロジェクトリーダー 【 394,500円(334,600円) 】
・システムエンジニア 【 320,200円(274,800円) 】
・アシスタントエンジニア 【 272,100円(260,900円) 】
・プログラマー 【 239,600円(228,500円) 】
・オペレーター 【 234,300円(205,900円) 】
*回答企業が1~3社であったもの
(3)事務企画関連
・経営企画職リーダー 【 471,600円(469,000円) 】
・経営企画職 【 377,800円(328,000円) 】
・経営企画職アシスタント 【 320,200円(304,600円) 】
・事務職リーダー 【 383,100円(386,500円) 】
・事務職 【 242,300円(237,000円) 】
・事務職アシスタント 【 220,900円(208,600円) 】
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□ 「代わりが利く」職種の賃金相場は安定傾向に
この調査は、年齢や勤続でなく、能力や職種に応じた賃金相場を明らかにしようと、2003年から毎年実施されています。
これまでの調査の傾向としては、「セールスリーダー」や「プログラマー」「オペレーター」、「事務職」「事務職アシスタント」で変動幅が減少傾向にあり、これらの職種は『非正社員へのシフトが進んでいるため、正社員に関しても「職種別の賃金相場」が形成されつつある』と分析されています。
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第158号「目標設定」
-◇-「目標設定」【もくひょう‐せってい】
会社の方針に従って、自らが目指す成果を実現するための指針(目標)を立てること。
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■ 「目標」の種類は?
目標は大きく、「定量目標」と「定性目標」に分けられます。
(1)定量目標
目標の達成度を数字で判断できる目標。
(売上高、件数、削減率、達成率など)
(2)定性目標
目標の達成度を数字で判断できない、もしくは達成度を数字で表すことに馴染まない目標。
(顧客満足、研究開発、企画立案、業務遂行度など)
目標設定においては、組織が個人に求める成果や、部署に与えられた役割等に応じて、達成度の表現方法を工夫することが必要です。
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■ 「目標」の立て方は?
目標を設定する際に必ず押さえておくべき点は、つぎのとおりです。
上司などの第三者が見ても、その内容が理解できるように、簡潔にまとめることがポイントです。
その1:なにを?
→ 1つの目標には、1つの内容を対応させる
(例:人事評価制度の充実)
その2:どこまで?
→ 数字もしくは実現したい状況を詳しく表現する
(例:マニュアルを改訂する)
その3:いつまでに?
→ 達成時期を明確にし、その経過をスケジュール化する
(例:○月~○月に検討会を開き・・・、○月に完成させる)
その4:誰と?
→ 達成を支援してほしい人がいれば、明記しておく
(例:月1回課長にレビューをお願いする)
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