第75号「『働きがい』は面白主義から!」
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■ 人事の話題あれこれ⑩「『働きがい』は面白主義から!」
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■こんにちは。事務所の周りではツクツクボウシが鳴いています。秋近しですね。
今回は、少し古いですが、硬派ながら気軽に読める調査報告をご紹介します。■
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-◇-「日本人の『働きがい』は今 -「働きがい」の喪失と再生-」
(株式会社東レ経営研究所「経営センサー」2006年12月号)
http://www.tbr.co.jp/report/sensor/2006.html
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■ はじめに~若手社員の「働きがい」状況
2005年10月に野村総合研究所が実施したネット調査結果によると、現在の仕事
に無気力感を感じる若手社員が75%にも達する。
なお、この調査では「お金以外の報酬で重要なものは何か」も聞いており、
「仕事自体の面白さや刺激」(44.5%)、「同僚や後輩から信頼されたり感謝され
たりすること」(35.0%)が上位となっている。
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■ 「働きがいのある会社」とは?
「働きがい」のある会社や仕事を考える手がかりとして、The Great Place to
Work Institute Japanの「働きがいのある会社」モデルを一例として紹介する。
このモデルによると「働きがいのある会社」の基本要件は次の3つである。
(1)マネジメントに対する信頼(信用、尊敬、公正)
(2)仕事に対する誇り
(3)仲間との連帯感
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■ 「働きがい」を構成する5大要素
筆者は、「働きがい」を強く感じる要素として、上記3つ以外に次のような要
因があると考えている。
(4)お役立ち感(貢献実感)
(5)前途への見通し感(夢・希望)
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■ 日本人の「働きがい」の再生を目指して
既存の文献調査結果や企業現場の声を聴く限り、筆者は現在の日本人の「働き
がい」は必ずしも高くない、むしろ喪失している社員が半数近くいるのではない
かと危惧している。
筆者は企業人の「働きがい」再生策の一つとして、次に述べる「面白主義」の
発想とこれを実践する「面白リーダー」育成策が、極めて有効だと考えている。
【面白主義】
1:人生も仕事も面白く!(面白発想)
→何より自分の人生の夢や希望を大切にして最大限努力する
2:何か面白いことはないか?(面白感度)
→面白い現場や人物との感動体験こそが面白い知恵を生む
3:もっと面白くできないか?(面白上手)
→「やらされている」から「自発的にやっている」へ発想転換する
【面白リーダーの行動特性】
1:明快な夢やビジョン(使命感)を持っている
2:明るく前向き
3:厳しくて温かい
4:謙虚で感謝、感動しやすい
5:遊び心(ユーモア)や趣味を持っている
6:信頼できる、尊敬できる
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第74号「チーム ハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術」
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■ 人事おすすめ本紹介⑦「『チーム』で学ぶ仕事術」
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■ こんにちは。朝晩が少しだけ涼しくなってきましたね。
今回は、個々人の頑張りを「チーム」で後押しする本をご紹介します。 ■
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-◇-大橋悦夫 佐々木正悟 著
「チーム ハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術」
日本実業出版社 2007年 1,500円
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■ 本書の概要
「チーム ハックス」とは、”個々人がチームを通じて効率的に仕事をするた
めのテクニック群”と捉えることができます。
この本では、予算的にも、時間的にも、手軽に始められる”テクニック”が紹
介されています。
近年増加してきている「チーム評価」の基準作りの参考にもなる一冊です。
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■ おすすめポイント
チームで仕事をする、と聞くと、つい「面倒だなあ」と思ってしまう人も多い
のではないでしょうか。
この本では、チームで仕事をする、ということへの抵抗感を少なくし、チーム
で働くことのメリットを最大化させるための39個の”テクニック”を紹介して
います。
このテクニックを最大限に活用する前提条件として、この本では、本当の(嘘
のない)「情報共有」を行うことが挙げられています。
そのために使えるWeb上のツール類(Wiki、グーグルカレンダー等)が多数紹介さ
れており、仕事の予定を表明してプレッシャーを抱えるよりも、まずは「仕事
の実績」を正直に共有することを薦めています。
また、チーム力を上手に発揮させる情報共有のためには、個々人が仕事に対す
る意気込みや率直な感想(軽くこなせた、眠かった・・・)を出し合い、外見
からは計り知れないお互いの感情も共有することが重要だと述べられています。
この他にも、「未完成の仕事を共有する(できるだけ早い段階でアドバイスを
もらう)」「(チームメンバーからの)質問でアイデアを引き出してもらう」
「最初の取りかかりだけ一緒に行う」「『ついついしてしまう』心理を利用す
る」など、手軽に使える”テクニック”が平易な文章で紹介されています。
近年、業績評価に「チーム評価」を取り入れる動きが高まっていますが、これ
らの”テクニック”をWeb上に記録として残すことで、数字だけでなく、その
プロセスも評価できるようになり、被考課者の納得性を高めることにつながる
かもしれません。
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第73号「運用がキツくなった!!」
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■ 人事制度ここが聞きたい!⑦「運用がキツくなった!!」
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■ こんにちは。お盆真っ只中ですね。それでもメルマガ発行です。
今回は、現場で聞かれる回数ナンバーワンのQ&Aです。 ■
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-Q-人事制度の運用が2年目に入り、1年目は張り切っていたのですが、最近、
社内のあちこちから「運用するのがキツい」という声を聞くようになりました。
長く運用していくために、いま、何を見直せば良いですか?
-A-まずは、その「キツさ」の内容を把握し、優先順位を付けて見直し作業を進め
ましょう。
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■「キツさ」の正体を把握しよう!
「運用がキツい」と言っても、その中には様々な要素が含まれています。
実際にアンケートやヒアリング等を行い、その理由をできるだけ具体的に拾い
出すことが最も大切です。
例えば、実際の運用の中での「キツい」理由として、つぎのような声がよく聞
かれます。
・人事評価シートが書きにくい
(評価項目が多い、自分で考えて書かなければならない所が多い等)
・面接の時間が取れない
(自分も部下も忙しい、実は何を話せばいいかよくわからない等)
・人事評価をするのが、なんかイヤだ
(人事評価へのマイナスイメージにより、評価自体が面倒になる等)
最後に挙げた「なんかイヤだ」という意見は、意外に多く聞かれます。このよう
な抽象的な意見には、その内容を直接ヒアリングして把握することが大切です。
具体的な内容が集まってきたら、見直しの順番(優先順位)を決めます。
見直し希望の強いものから、緊急性の高いものから、着手しやすいものから等、
自社に合った基準で優先順位を決めてください。
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■主な見直しのポイント
代表的な「キツい」理由別、見直しのポイントをまとめてみました。
(1)「人事評価シート」を見直すポイント
・評価シートの分量を調整(項目の多さ、記入に要する時間のかかり具合)
・評価シートの再構成(見やすさ、評価項目のわかりやすさ、書きやすさ)
(2)「面接」を見直すポイント
・面接時間確保の工夫(仕事として組み込むにはどうすれば良いかの検討)
・面接の進め方の徹底(「性格」ではなく「行動」をベースに話すことの習慣化)
(3)「なんかイヤだ」を見直すポイント
・人事方針の再確認(何のために評価制度を作ったかを復習)
・評価制度そのものの再確認(わからないことから始まる抵抗感の改善)
いずれの見直しを行う時も、経営陣や総務担当者だけが作り込むのではなく、
たとえ時間がかかっても、できるだけ多くの社員に参加してもらいながら進める
ことが大切です。
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第72号「企業から、従業員から考える『やりがい』とは?」
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■ 人事の話題あれこれ⑨「企業から、従業員から考える『やりがい』とは?」
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■こんにちは。皆さんお盆の予定は決まっていますか?
今回は、企業と従業員の双方から見た「やりがい」の調査をご紹介します。 ■
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-◇-「従業員の意識と人材マネジメントの課題に関する調査」
(独立行政法人労働政策研究・研修機構 2008年7月)
・調査期間 :2007年12月15日~12月28日
・調査対象 :〔企業調査〕全国の従業員数100人以上の企業10,000社
(農林漁業、鉱業を除く)
〔従業員調査〕企業調査対象企業で働く従業員100,000人
(1企業あたり10人)
・調査方法 :郵送による調査票の配布・回収
・回答数 :〔企業調査〕 1,200社(有効回収率 12.0%)
〔従業員調査〕7,349人(有効回収率 7.3%)
http://www.jil.go.jp/
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■ 社員の意識の変化
3年前と比較して、社員の意識・関心が「高くなった・どちらかといえば高く
なった」と思うこと
1)企業調査 賃金・昇給に対する関心 51.3%
職場の評価に対する関心 49.3%
自分が行う職務分野への関心 44.9%
2)従業員調査 自分が行う職務分野への関心 51.9%
職場の評価に対する関心 30.2%
職業生活を通じたキャリア形成への関心 29.1%
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■ 評価制度・賃金制度と仕事に対する意欲の変化
(1)社員の評価で実施している施策(企業調査)
目標管理制度 58.8%
評価結果の対象者へのフィードバック 42.3%
プロセス評価 35.5%
(2)評価制度の運用上の課題(企業調査:規模別)
評価者によって社員の評価にばらつきが生じること
1,000人以上 83.2%
300~1,000人未満 75.5%
100~300人未満 68.4%
部門間の業績の差を社員個人の評価にまで反映させることが難しいこと
1,000人以上 38.6%
300~1,000人未満 49.7%
100~300人未満 48.3%
評価が難しい部門があること
1,000人以上 52.5%
300~1,000人未満 47.8%
100~300人未満 45.0%
(3)過去3年間に実施した賃金制度別、仕事に対する意欲の高まっている者の
割合(従業員調査)
昇給幅の拡大 38.0%
職能給の拡大 36.3%
ストックオプションの導入 35.7%
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■ 仕事の満足感
(1)仕事の満足感が低下していると思う
企業調査 29.0%
従業員調査 38.7%
(2)仕事の満足感につながること(従業員調査)
雇用の安定性 50.3%
職場の人間関係 44.9%
仕事を通じた成長 37.9%
(3)仕事の満足感が低下している原因(従業員調査)
仕事に見合った賃金が得られないから 43.4%
仕事を通じて自分が成長できると思えないから 32.6%
仕事を通じて自分の個性を発揮できると思えないから 28.9%
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第71号「賃金」
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■ 使ってみよう!人事のことば⑥「賃金」
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■ こんにちは。今年も早いもので、きょうから8月ですね。
今回は、基本的なように見えて、とても難しい(?)用語を取り上げます。 ■
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-◇-「賃金」【ちん-ぎん】
賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として
使用者が労働者に支払うすべてのものをいう(労働基準法)。
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■ 「賃金」の意味を分解してみると・・・
「労働の対償」という定義づけは、とても難しい表現ですね。
これを、賃金を支払う側・もらう側から考えた時、つぎのような捉え方を唱え
る専門家もいます。
(1) 生活保障
どのような賃金にも、必ずこの役割がある。
日々の主要部分をその会社のその仕事に費やす以上、その賃金で生活できな
ければ、普段の仕事はおろか、仕事に対する前向きな取り組みも期待できない。
(2) 労働の対価
賃金には、「労働」に見合った額を支払うという原則がある。
時間がかかる仕事・かからない仕事、負荷の大きい仕事・小さい仕事とで、
賃金が変わるのは自然なことと言える。
(3) 仕事の対価
また、「仕事」の価値によって賃金に差が付くのも自然なことと言える。
多くの経験や知識を必要とし、特定の人にしかできない仕事には、高い賃金
を出さなければ、人が集まらない。
(4) 労働力(能力)の対価
加えて、高度の「技能(=能力)」を持っている人に高い賃金を支払うのも
自然なことと言える。
仕事ができる人に高い賃金を出さなければ、別の会社へ移ってしまうかもし
れない。
(5) 貢献度の反映
そして、会社への「貢献」の度合で賃金に差がつくのも自然なことと言える。
ただ、会社の考え方や仕事のあり方によって、何が貢献度かが大きく変わる。
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■ 「賃金」は”組み合わせ”が大事
上のような定義を見ていると、「生活給」「能力給」「仕事給」「成果給」・・・
といった、よく聞く言葉が浮かんできそうです。
自社の賃金を考える時には、最初から”どれか一つを選ぶ!”と肩に力を入れ
すぎず、自社の組織風土に合った考え方を”組み合わせる”気持ちで臨むことが
大切です。
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