第126号「サラリースケール」
-◇-「サラリースケール」【salary-scale】
給与体系の基本的な考え方や、具体的な額などを図やグラフで表したもの。
関係者や社員のコンセンサスを得るために必要な資料の一つとも言える。
──────────────────────────────────────────────────────────────────
■ 給与体系を「見える化」する考え方
「サラリースケール」とは、
直訳すると”給与の物差し・大きさの程度”という意味になります。
人事制度では、賃金制度の体系(能力給・業績給などの基本的な考え方、等級ごとの給与額の幅、昇給ピッチ等)について、図やグラフで表現したものを「サラリースケール」と呼んでいます。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
■ 「サラリースケール」作成の流れ
(0)賃金制度の基本体系(能力給・職務給・業績給等の組み合わせ)を決める
(1)形を決める(それぞれについて適切な「型」を選ぶ)
1)レートの幅
・シングルレート(等級・職務ごとに単一の給与額を当てはめる)
・レンジレート(等級・職務ごとに給与額の上限・下限を決める)
2)等級間の開き
・開差型(隣り合わせた等級・職務の給与額の上限と下限に開き
を持たせる)
・接続型(隣り合わせた等級・職務の給与額の上限と下限を同じ
にする)
・重複型(隣り合わせた等級・職務の給与額の一部を重複させる)
3)等級・職務内の昇給ピッチ
・凸型(習熟度が最も高い中位のピッチを大きくする)
・凹型(その等級に入って来た人・次の等級に昇格しそうな人の
ピッチを大きくする)
・直線型(等級内で上位に位置するほどピッチを大きくする)
4)等級・職務間の昇給ピッチ
・逓増型(等級や年数等が上がるにつれてピッチを大きくする)
・低減型(若い等級や年数のピッチを相対的に大きくする)
・S字型(中堅の等級や年数のピッチを相対的に大きくする)
(2)数字(具体的な額)を当てはめる
現有社員や世間相場などを参考にしながら、図に大まかな数字を入れる
(3)シミュレーションをする
出来上がった「サラリースケール」を給与原資や個々の社員などに当て
はめて、自社で実際に運用できるかどうか検討しながら修正していく
長年にわたって賃金表を運用している企業では、賃金表の書き換えや賃金体系の見直しに際して、表だけを睨みながら「ああでもない、こうでもない」と検討している様子がよく見られます。新しい体系を作る時だけでなく、現在の状況を把握する時にも「サラリースケール」を活用してみてはいかがでしょうか。
☆ 今回の用語解説はいかがでしたか?
「なるほど」「読みきった!」という方、ぜひクリックをお願いいたします。
(「もっと頑張れ!」という方も大歓迎です)。