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人事制度の道具箱

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第64号「成果主義の撤回、その後」

====|人事制度の道具箱 Vol.64|===========================================
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■  人事の話題あれこれ⑦「成果主義の撤回、その後」

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■こんにちは。ジメジメした毎日が続きますね。
 今回は、成果主義を廃止した企業におけるその後の変化について考えます。■
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-◇-「三井物産 成果主義『撤回』~ギスギス職場 明るく~」
                     (日本経済新聞 2008年5月26日)
 
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■ 記事のまとめ
 
 99年、三井物産は徹底した成果主義の人事制度を導入。「売上高の対前年比」
「新規事業の件数」など数字に表れる成果を縦、横、斜めから測り、賞与に格差
をつける。部長級で年収に300万円程度の差が生じる100%の成果主義だった。

 副作用が顕在化するのは早かった。「業務知識や人脈を他人に教えると損と言
い出す人もいて、職場の雰囲気がギスギスし始めた」。当時、入社8年目だった
エネルギー第二本部ガス資源室長(38)はそう感じた。

 06年、二つの不正事件への反省もあり、三井物産は一気に80%を定性評価に切
り替える抜本改革に打って出た。

 新制度では評価や昇進の基準として、部下への指導姿勢や行動規範の順守など
数字では表しにくい要素を重視した。人事企画室長は「利益という結果ではなく、
プロセスを評価する制度にした」と解説する。

 「広い視野」「信念と熱意」「情報共有」・・・。新しい人事評価の基準には、
一見、あいまいな表現が並ぶ。だが中間管理職として部下を評価し、上司からは
評価される立場の室長は「人事面接の雰囲気がずいぶん明るくなりましたよ」と
付け加える。
 
 最高益更新が続く三井物産の場合、足元の恵まれた収益環境が「脱成果主義」
への転換をスムーズにした面もある。締めすぎず、緩めすぎず。どこに均衡点を
見つけ出すか。三井物産だけでなく、日本企業全体の課題である。
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■(コメント)若手社員を中心に成果主義を見直す動き

 近年、成果主義の見直しを進める企業が増えています。その背景には、行き過
ぎた制度の導入で、「自分本位の仕事スタイルが助長され、職場の雰囲気が悪く
なった」「短期的な業績だけを考えて行動するようになった」等の”成果主義の
弊害”が企業業績に微妙な影響を与え始めた、という実情があるようです。

 また、最近、見直しの新しい動きとして、”若手社員をじっくり育成するため”
という目的を掲げる企業が見られます。ある大手商社では、入社10年目までの社
員を、評価に関係なく同じペースで昇格させています。そこには、評価を気にす
ることなく、基本的な知識や能力をじっくり身につけてもらい、将来を担う若手
社員の業務遂行能力を安定的にを高めようという考えがあるようです。

 ある調査によると、中小企業でも60%以上が一般社員の定期昇給を行っており
(管理職は45%)、若手を中心に「生活保障型賃金体系」を復活させる傾向が今後
高まってくるかもしれません。
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by e-team7 | 2008-06-13 18:00 | 話題

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