人事制度の道具箱

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-◇-渥美 由喜 著

    「ムダとり 時間術」 
             日本経済新聞社(日経文庫)  2012年  1,000円

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■ 本書の概要
 
  「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が聞かれるようになって久しい昨今、本書では、その運用に欠かせない”時間管理”や”生産性向上”の具体的なノウハウから、その成果を”人事考課”に反映させる際の考え方がコンパクトにまとめられています。
 ”労働時間や残業時間の長さ”以外の人事考課の軸を見つける参考となる一冊です。
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■ おすすめポイント

  労働力人口が減少する中で、子育てや介護など、時間の制約なしに働ける従業員の数は、今後ますます減少することが予想されています。

  このような環境の中で、仕事をより良く補完する「ライフ」の充実を図るには、「ワーク」をどのように見直せば良いか、おもに「時間」という観点から多くのアイデアが紹介されているのが本書の特徴です。

 「ワーク」を充実させる第一歩は、自分の1日の業務(タスク)を時系列で書き出し、給与と労働時間から計算した自分の時給を「コスト」として掛け合わせながら、その仕事がそれだけ「コスト」に見合うかどうかを「見える化」することから始まります。

 「コスト」に見合わない業務を、上司・同僚・顧客などと協力しながら”ダイエット”して、1日の所定労働時間の中でより生産性の高い業務の割合を増やしていくことが「ワーク」の充実のためには不可欠となります。

 また、このように、評価の「軸」が”時間の長さ”から”量や質”に変化した場合の「人事考課」へのアイデアもいくつか紹介されており、『難易度×時間数=チーム貢献ポイント』、創意工夫で業務の標準時間を下回る速さで完成させたら『生産性向上ポイント』、アクセス数の多い資料や雛型を作成した人には『表彰制度』などが挙げられています。


 実際に、1日のタスクを書き出してみると、通常業務も突発業務も、その対応に思ったほど時間がかかっていないことがわかります。その他の時間は何をしているんだろうなあ、と考えた瞬間から「時間管理」が始まっているのかもしれません。


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# by e-team7 | 2012-10-29 09:34 | 書籍
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-Q-このたびの人事異動で、はじめて女性の部下を考課することになりました。どんな
  所に気を付ければ良いでしょうか。

-A-基本的な着眼点は男性と同じでなければなりませんが、上司に対する女性ならで
  はのニーズを知っておくと、評価に対する納得性が高まります。

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■ 「評価のエラー」に注意

 男性の考課者が女性部下を評価する時、”細かい所まで気が付く””結論を後回しにして報告が冗長になりがちだ”など、女性に対する先入観をもって行ってしまうと、後で面接の際の評価結果の理由説明に苦慮することにつながります。

 その対策としては、「評価のエラー(ハロー効果・寛大化傾向・論理誤差)」に気を付けながら進めることが大切です。
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■ 女性特有のニーズを取り入れて納得性を高めよう

 これまで、参加者が男性ばかり、女性ばかりの考課者研修を行ったことがありますが、 それぞれに「理想の人事考課」について質問してみると、男性は「公平な評価をしてもらうこと」、女性は「常に仕事ぶりを見てもらったうえで評価してもらうこと」という意見が多く聞かれます。

 これらの意見をよく見ると、男性が「相対的な評価」を気にする傾向があるのに対して、 女性はより「絶対的な評価」を求めるニーズを持っているように感じます。

 そこで、評価に対する女性部下の納得性を向上させるためには、面接で評価の根拠を説明するとき、「○月○日にお客様への□□という敬語が完璧だったので、言葉遣いを「A」評価としました」などと、実際に見た光景を詳しく言葉にすることを通して、「あなたの仕事ぶりを見守っています」というメッセージを送ることが効果的です。


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# by e-team7 | 2012-10-22 14:17 | Q&A
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-◇- 賃金事情等総合調査
              (中央労働委員会 2012年4月)
   ・調査地域:全国
   ・調査対象:中央労働委員会が選定した
          資本金5億円以上かつ従業員1000人以上の大企業
   ・調査の対象期間:2011年6月(賃金改定が行われた企業は7月以降)
   ・調査の方法:回答票の郵送による調査

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■ 調査結果(抜粋)

 1:平均年齢および平均勤続年数
    (1) 全体 39.6歳 ・ 17.6年
    (2) 男性 39.9歳 ・ 17.9年
    (3) 女性 36.8歳 ・ 14.4年

 2:平均所定内賃金・所定外賃金
    (1) 全体 367.7千円 ・ 62.7千円
    (2) 男性 383.8千円 ・ 65.2千円
    (3) 女性 287.3千円 ・ 32.0千円

 3:所定内賃金の合計を100とした賃金構成比
    (1) 基本給      91.0%
    (2) 奨励給 0.5%
    (3) 職務関連手当   2.8%
    (4) 生活関連手当   5.4%
    (5) その他の手当   0.3%

  ⇒「基本給」の内訳:
   (年齢・勤続給6.8%、職務・能力給37.9%、業績・成果給7.1%、総合判断39.1%)

 4:役付手当額(導入企業における平均額)
  ⇒役付手当を導入しているのは、集計企業のうち49.1%
    (1) 部長級          68.3千円
    (2) 次長級 69.7千円
    (3) 課長級 43.1千円
    (4) 課長代理・補佐級   41.4千円
    (5) 係長級          20.3千円

 5:昇給の方法(複数回答)
    (1) 自動的に昇給     28.8%
    (2) 査定により昇給    90.4%
    (3) 労使交渉により昇給 14.4%
    (4) その他 1.4%
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□ 賃金制度は「基本給」に細心の注意を払うべき?

 賃金制度を作る際、「諸手当」の内容や金額に多くの時間を割くことがありますが、この調査を見ると、各企業が「諸手当」よりも「基本給」の内訳に工夫を凝らしていることがわかります。
 これは、従業員が「諸手当」よりも「基本給」をより重視していることの表れではないかと思います。
 また、基本給を「総合判断」で決めている企業の割合が高く、基本給が複雑な要素をもとに決定されているという現状が伺えます。


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# by e-team7 | 2012-10-15 09:44 | 話題

第235号「社内FA制度」

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-◇-「社内FA制度」【しゃない-えふ-えー-せいど】

   一定の要件を満たした従業員が、希望する部門や職種への配属を自ら志願でき
  る仕組みをいう。
   「社内公募制度」「社内転職制度」ともいう。

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■ 社内でも「FA」

  プロ野球をはじめとした、スポーツの分野でお馴染みの「FA」という言葉。この「社内FA」という呼び名もここから生まれてきました。

  プロ野球選手が希望するチームを自ら選ぶように、企業内においても、希望する仕事や職種を自らの希望で選ぶことができる仕組みを意味します。

  また、企業によっては、部署や職位については「社内FA制度」、チームやプロジェクトについては「社内公募制度」と使い分けをしているところもあります。
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■ 社内「FA宣言」の流れは?

  社内FA制度の一般的な運用の流れは、つぎのとおりです。
  
   (1) FAを受け入れる部署・職位、FAできる従業員の基準を公開する
   (2) 希望する従業員からの応募を受け付ける(書面・メール等)
   (3) FA希望先の担当者(管理者等)と希望する従業員とで面接を行う
   (4) 経営陣が(3)の担当者の報告を受けて最終決定を行う
   (5) 本人に可否を通知する


 そして、社内FAが、プロ野球のFAと異なる点は、「FA宣言」の方法にあります。

 プロ野球選手が大々的に「宣言」してオファーを待つのに対して、企業では「FA宣言」した従業員の希望が叶わなかった場合に不利益が生じないよう配慮することが大切です。

 例えば、(1)を周知する際に「直属の上司への秘密は厳守します」「FA宣言およびその結果が人事考課に影響することはありません」など、応募者が安心して宣言できる仕組みづくりが運用のポイントとなります。


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# by e-team7 | 2012-10-10 09:26 | 用語
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-◇-佐野 陽子 著

    「はじめての人的資源マネジメント」 
                  有斐閣  2007年  1,900円

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■ 本書の概要

 採用から配置、評価、給与、コミュニケーション、ワークライフバランスまで、企業の人材管理のこれからの方向性を、他のアジア諸国・アメリカ・欧米との比較を通じて明らかにすることを試みた本です。
 他社の状況を参考に人事考課制度・給与制度を見直したい時におすすめの一冊です。
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■ おすすめポイント

 本書は、採用から退職、日常のコミュニケーションに至るまで、「人事管理」を取り巻く現状を統計資料等から読み解き、その特徴と将来の方向性を明らかにしようと試みている点にその特徴があります。

 中でも、「成果主義」「人事考課」「定期昇給」「賞与」については、日本ならではの考え方やルールが顕著に表れていることが、各種調査の資料をもとに解説されています。

 例えば、「人事考課」。

 本書では、「人事評価」ではなく「人事考課」という言葉が普及していること自体が日本的であると述べられています。

 また、日本の人事考課は、主に「昇給」「賞与」「昇格」を目的としているのに対して、アメリカの人事評価では「職務遂行度の改善」「業績に基づく給与配分の決定」「仕事の目標を知らせる」ことを目的としている点に大きな違いが見られます。

 そして、その評価基準(項目)の内容についても、日本は「能力」や「態度」といった業務プロセスを重視するのに対して、アメリカでは「業務の質」「業務の量」などの結果を重視していることがわかります。

 この他にも、「給与」について、「家族手当」「住宅手当」は欧米の企業にはないものであり、「賞与」を重視する傾向もアジア諸国独自のものであると述べられています。

 最後に、今後の人事制度の方向性として、「成果配分を重視していくと、究極はパートナーシップ関係に行きつくだろう」ことが強調されています。これは、これからの人事制度の運用が、会社と従業員との良好な関係を作る方向にシフトしていくことを示唆しています。

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# by e-team7 | 2012-10-01 12:42 | 書籍

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