人事制度の道具箱

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-Q-人事考課制度を導入したいと考えています。まずは考課制度がどのようなも
  のであるか従業員にイメージしてもらうために、考課表の案を作りたいと思
  っています。どんな手順でまとめれば良いでしょうか。
  
-A-事例を参考にしたり、考える過程を省略したりしながら、できるだけ短時間
  のうちに考課の対象となる項目を作り、全体の構成を決めることが大切です。

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■ 考える過程をシンプルに

 人事考課表について、”これを必ず項目に入れなければならない”というものはありません。

 それは、人事考課の対象となる項目が、人事考課制度の導入目的と密接に関わり合っているからです。

 例えば、同じ業種でも、「お客様のニーズに応える」といった”経営理念の浸透”を目的とすれば、「サービス向上のための提案を行っていたか(提案力)」という項目が考えられますし、一方で、”営業部隊の成績向上”が目的となれば、「売上高前年比○○%アップ(売上伸び率)」という数値項目も登場してきます。
 目的が複数であれば、これらの項目の組み合わせを考えていくことにもなります。

 とは言え、イメージづくりのための考課表は、短期間で作ることが大切です。導入目的を掘り下げたり、仕事の流れを調査したり、管理職の仕事内容を定義づけたりすることも大切ですが、案を作る段階でこれを完璧にこなそうとすると、経営陣が早くも疲れてしまったり、複雑すぎる考課表を見て従業員がかえってマ
イナスなイメージを持ったりする場合もあるからです。
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■ シンプルな考課表案づくりのポイント

 イメージづくりのための案を作る段階では、大きな所を大きく押さえておくことが、作る側のイメージ作りにも役立ちます。その際のポイントは、つぎの通りです。

(1)代表的な視点から、切り口を2つ選んでみる

  人事考課表の事例等をまとめると、下記のように、共通の切り口が見えて きます。これらの切り口から、自社が苦手なもの、もっと高めたいものを2つ程度選び、項目設定の切り口とします。

   1)社会人としての基本動作(挨拶、身だしなみ、報告・連絡・相談など)
   2)経営理念・行動基準に対応した行動(積極性、提案力、協調性など)
   3)職務・役職に応じた行動(折衝力、統率力など)
   4)上記行動に伴う成果(売上アップ率、コスト削減額、目標達成率など) 
 

(2)全体の構成を考える
  項目がある程度設定できたら、考課表全体の構成を考えます。具体的には、上司評価欄だけでなく自己評価欄も設けるか、各項目に対する5段階評価のみとするか、他に何か記入欄を設けるかどうかといった内容を決めていくことになります。

  この場合、評価項目だけの考課表では、考課が一方通行になりやすいため、自由記入欄や仕事のプロセス(工夫したこと、頑張ったこと)を被考課者に記入してもらうスペースを設けると、考課表に対するイメージが向上するようです。

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by e-team7 | 2011-10-24 10:43 | Q&A

第208号「定性目標」

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-◇-「定性目標」【てい-せい-もくひょう】
    達成水準を数字で表すことが難しい目標のこと。
    ⇔「定量目標」

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■ 「定量」と「定性」

 「定性目標」は、「定量目標」の対になる考え方としてよく紹介されます。

 「定量目標」が達成水準を文字通り「量(=数字)」で表せる目標であるのに対して、「定性目標」は、その達成水準について、それが”どのような状態(=性質)になれば良いか”を言葉で表す(表したほうがそれをより具体的に表現できる)目標であると言えます。
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■ 「定性目標」の具体例

 「定性目標」は、事務や管理の部門だけでなく、営業や製造のプロセス評価においても重要な役割を果たします。

 具体的には、事務や管理の部門では「業務マニュアルを完成させる」「長期プロジェクトのスケジューリングをする」など、営業や製造の部門では「顧客への提案を工夫する」「段取りの標準化を進める」などが考えられます。

 このような「定性目標」を設定する場合においても、「○月までに完了させる」「○人で取り組む」など、その期限などをできるだけ数字で示せるようにして、達成度合いをチェックしやすくする工夫が必要です。

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by e-team7 | 2011-10-11 15:38 | 用語
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-◇- 成果主義と社員の健康
                   (株式会社富士通総研 経済研究所 2011年6月)

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(論文要旨)

 本研究では、成果主義の導入がどのように進んでいるのか、職場環境の変化を明らかにするとともに、社員の健康との関係を明らかにすることを目的とする。

 本研究で用いるデータは健康保険組合の月次報告および年次報告データである。
データ期間は2003年度から2007年度まで、各約1500の健康保険組合データとなっている。

 まず、男性の格差変化に注目すると、企業内格差を拡大した企業が7割弱、年齢内格差を拡大した企業が8割弱、年齢間格差を拡大した企業が4割弱の割合で存在することが確認された。企業内格差を拡大させる企業が多い中で、年齢内格差の拡大による寄与が大きいことがわかる。女性の企業内格差の変化についても同様の傾向が確認された。

 成果主義導入は、年齢内格差の拡大をもたらしたと予測され、個々の企業において成果主義の導入が進んでいることが示唆される。

 また、企業業績が良い企業(平均給与に対する平均賞与の比率が高い企業)では、年齢内格差が小さく、企業業績が良い企業ほど、従来型の賃金体系を維持していることが伺える。

 次に、賃金格差を含めた職場環境(平均年齢、女性比率、退職率、平均給与、企業業績)と社員の健康(傷病手当金支給件数、埋葬料支給件数)との関係を分析する。

 まず、賃金格差以外の要因としては、平均年齢が高いほど、長期休業率、死亡率ともに高く、平均給与や女性比率が高いほど、長期休業率、死亡率ともに低く、社員の健康状態が良いことが確認された。一方で、企業業績と社員の健康の間には、直接的な関係は観測されなかった。

 また、企業内の賃金格差に注目すると、長期休業率は男性の年齢内格差が大きいほど高く、年齢間格差が小さいほど高いことが確認された。前述の結果と合わせると、業績の悪い企業において、成果主義の導入が進み、社員の健康を害していることが伺える。

 社員の健康の管理は、短期的にはコストを伴う場合もあるが、労働生産性の向上、企業業績につながり、長期的には企業の持続可能性につながっていく。成果主義の導入の是非を論じるだけでなく、社員の健康の維持を生産性の向上の施策として、前向きにとらえて、さらなる施策が求められている。
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□ 成果主義を数字で捉える

 「成果主義」の考え方やその導入の是非について、様々な議論が起こっていますが、企業業績以外の視点でそれを捉えることはとても難しいことの一つです。
 この研究では、「標準報酬月額」「申請件数」など、従業員の実際の動きに近い数字を使って、成果主義の状況とその影響について明らかにしています。
 成果主義の是非よりも、他の制度とのバランスをどのように取るかを考える必要性を教えてくれる研究です。

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by e-team7 | 2011-10-03 12:18 | 話題

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