人事制度の道具箱

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-◇-相原孝夫・南雲道朋  編著
   「チームを活性化し人材を育てる 360度フィードバック」
              (日本経済新聞社 2009年 1,600円)

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■ 本書の概要

 「360度フィードバック」の意義から、導入にあたっての注意点、結果の有効な活用法まで、実際の事例を踏まえながら実践的に解説されています。
  人事制度の策定・運用の中で、一度は気になる「360度フィードバック(評価)」の概要がこの一冊でよくわかる内容となっています。
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■ おすすめポイント
 
 「360度フィードバック」とは、『周囲の様々な人たちに日頃の仕事ぶりを見てもらい、優れたところはもとより、足りないところや改善すべきところを教えてもらう、フィードバックしてもらう仕組み』と定義されています。

  実際の導入にあたっては、目的・目標の明確性、人事考課のスキルや組織内コミュニケーションの成熟度、予算・IT等の活用可能性の検証が不可欠であるとして、具体的なチェックポイントや導入事例が挙げられています。

  加えて、本書では、評価結果の取り扱いについても実践的に解説されており、人事考課のフィードバックにも役立つ内容となっています。

  具体的には、個々の評価の点数の高低だけに注目せず、自らの能力開発には「自分の強み(得点の高い項目)に資源を集中する(自己内の強みランキング)」、職場改善(昇格・仕事の配分など)には「各人が相対的に最も強い(他の人より点数の高い)ことに労力を集中する」ことで、新しい発想や成果に結び付く行動を部署(チーム)を挙げて行うことができると述べられています。

  他にも、評価結果を心理学や統計学の視点から細分化する考え方が紹介されています。

  巻末には、「360度フィードバック」導入企業に対するアンケート結果や、実際の導入事例も紹介されていて、評価項目数の目安や導入企業からのアドバイスなど、自社で制度づくりをするために役立つ情報も掲載されています。


  最近、人事制度を作っていく中で、「上司を評価したい」という部下の方からの声をよく耳にするようになりました。「360度フィードバック」の導入には手間と工夫が不可欠ですが、この考え方の背景にある人材育成のエッセンスを日頃のマネジメントに活用してみてはいかがでしょうか。
 

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by e-team7 | 2009-09-28 16:28 | 書籍
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-Q-現在、号俸表を使って昇給を管理しているのですが、最近の厳しい経済状況の中で、全員の等級と号俸が確定するまで昇給原資がわからないという状況が不安になってきました。そこで、ポイント制の昇給制度を取り入れたいのですが、その作り方と注意点を教えてください。

-A-ポイント制昇給制度の設計は、ポイント案の作成とシミュレーションの繰り返しで行っていきますが、「ポイント」の設計にどれだけ工夫を加えるかが文字どおり”ポイント”となります。

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■ 「ポイント制昇給制度」とは?

 文字どおり、獲得したポイント数で個々の昇給額を決めるという考え方です。
 具体的には、
   1)会社全体もしくは部署ごとに昇給原資を決定し、
   2)等級や人事評価、仕事内容、役職等に応じてポイントを設定し、
   3)個々の社員の仕事内容、仕事ぶりに応じて2)を決定し、
   4)1)を全社員分の3)の合計で除す
   5)3)に4)を掛けて個々の昇給額を決定する
 
 という流れになります(文字にすると難しく見えますね)。
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■ 「ポイント制昇給制度」のメリット・デメリットは?

 「ポイント制」の最大のメリットは、あらかじめ昇給原資を決められることにあります。その反面、ポイントの対象以外の要素が昇給に反映されないという点に注意が必要です。

 ○メリット
   ・最初に昇給原資が決まるため、業績等に応じた原資管理ができる
   ・経営方針に応じてポイント設計ができるため、社員のベクトル合わせに
    つながる
   ・計算が簡単である
 
 ×デメリット
   ・年齢や勤続でポイントを設定しない場合、年功的な要素が反映されにくい
   ・経営方針の変化に応じて、ポイント表の定期的な見直しが必要となる
   ・社員が昇給額をあらかじめ知ることができない
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■ 「ポイント制昇給制度」設計の”ポイント”は?

 文字通り「ポイント」の設定方法にあります。
 一般的に多いのは、
  『等級(もしくは職務)ポイント』+『役職ポイント』ですが、

 他にも、等級、役職等にプラスして、
  支店の業績を重視する企業であれば『支店ポイント』
  熟練の技術を重視する企業であれば『年齢ポイント』『勤続ポイント』
  自己啓発を重視する企業であれば『学習ポイント』

 などなど、それぞれの企業が「大切にしていること」をどれだけポイントに反映させられるかが”腕の見せどころ”となります。
 昇給には社員のモチベーションと深いつながりがあるため、評価や処遇の納得性を高めるためにも、ポイント設計への工夫が強く求められます。


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by e-team7 | 2009-09-21 09:00 | Q&A

第123号「職務給」

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-◇-「職務給」【しょくむ-きゅう】  

  職務(=仕事の責任や難易度・習熟度)に応じた基準を設定し、これらをもとに給与を決める考え方。
  昇給に年齢や勤続年数を反映させないのが特徴。

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■ 「職務」給とは?

 職務給とは、文字どおり「職務」に応じて「給与」を決めることをいいます。

 この「職務」とは、
 ある辞書によると「その人が担当している仕事。役割。つとめ。」とあります。
 
 これらをまとめると、「職務給」とは、
  ”個々の社員の仕事や役割に応じて給与を決めること”となります。

 しかし、個々の社員の仕事を把握するには大変な手間と時間がかかるため、実際に設計する場合は、「職務」を役職や職種に置き換えるのが一般的です。
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■ 職務給の基本パターン

 職務給における「給与」の考え方には、大きく分けてつぎの2つがあります。
 現在では、(2)の考え方が主流となっています。

 (1)シングル・レート制
   その仕事に対して未習熟の状態(新入社員や移動・昇格後間もない等)から、一定の
習熟度まで昇給するが、その後は職種・役職の変化がない限り給与が一定となる仕組み

 (2)ジョブ・グレード制
   基本的な考え方は(1)と同じであるが、一定の習熟度に達した後も、評価等に応じて
ある程度昇給させる仕組み

 職務給を設計する場合、「同一職務同一賃金」にこだわり過ぎると、専門性の高い職場で社員のモチベーションが下がったり、多能工を目指す職場で職種間異動が難しくなったりするため、厳格過ぎない運用にすることがポイントと言えます。
                                                          
 
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by e-team7 | 2009-09-07 09:18 | 用語

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