人事制度の道具箱

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-◇-黒川 勇二 著
      「はじめての賃金管理100問100答」
                 (明日香出版社 2007年 1,600円)

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■ 本書の概要

 給与・賞与・人事評価・・・といった「賃金」を取り巻く数々の話題を、中小企業向けにできるだけわかりやすく解説したのが本書です。
 専門用語を極力使わないように構成してあるため、文字どおり「はじめて」賃金に接する方や、ゼロから賃金を見直したいという方にもおすすめです。
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■ おすすめポイント

 本書は、”賃金プロコンサルタント”の肩書きを持つ著者が、「わが社は年功だから能力主義はどうも・・・」「わが社は特別だから他の企業が取り入れている仕組みは当てはまらない」などといった実際の経営者の声をもとに、中小企業の賃金体系にこそ役立つ「知識」や「考え方」を紐解く内容となっています。

 例えば、人事や賃金の専門書には「年功制」「成果主義」といった用語がまず登場しますが、本書では、各論に入る前に「10人くらいまでの会社の賃金(=採用と定着に配慮した賃金体系にして、社長は『ちょっと相談できる人』を見つけておく)」、「30人くらいの会社の賃金(=ベースとなる賃金体系をざっくり整備する)」といった具体的なイメージを紹介し、はじめての読者でも賃金の話題に入りやすい配慮がされています。

 もちろん、「年齢給」「職能給」といった賃金体系の解説や、「労働分配率」「定昇」「成果主義」等の専門用語の意味、賃金分析の方法、人事考課の進め方についての解説も専門用語を極力使わずにまとめられており、一般の専門書を読んだり、実際の賃金制度の改定等に参加できるだけの基礎知識が身に付く内容となっています。

 特に、諸手当の見直しについては、家族手当の世間相場や、見直しの方法など、実務に活用できる具体的な情報が多く載せられています。


 また、最後の章では「人事コンサルタントは役に立つ?」という興味深い(?)Q&Aも収録されています。皆さんのお考えはいかがですか?


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by e-team7 | 2009-08-31 09:20 | 書籍
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-Q-ここ数年、弊社では、若手を中心とした契約社員や、定年後に再雇用した嘱託社員が増えてきています。これまで、契約社員のみ一般社員と同じ基準で評価してきましたが、やる気を高めるためにも、それぞれの仕事に合った評価基準を設けたいと考えています。どのようなものを作れば良いですか?

-A-自社に求められる基本的な行動を中心に、A4用紙1枚に収まる程度の分量にまとめることが理想的です。

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■ 「基本行動」が”基本”

 契約・嘱託社員の評価基準は、一般的な行動規範や自社の経営理念・方針に沿った行動(=基本行動)を中心にまとめることが「基本」です。

 例えば、「お客様第一主義」という経営理念を持つ企業であれば、基本行動として『積極性』『責任性』『迅速性』『傾聴力』などが考えられます。

 もちろん、『業務知識』や『仕事の正確性』『マナー』など、一般的な行動規範を評価基準に組み入れることも忘れてはいけません。

 これらの「行動」を順番に挙げていくと、項目数が多くなりがちですが、評価する管理者の負担も考えて、7~15項目程度に絞り込むことがポイントです。
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■ 契約社員のポイント:正社員登用の基準を明確化する

 上記のように、契約社員の評価基準を作ったら、次は正社員への登用の基準を決めていきましょう。

 正社員登用の基準は、企業によって様々です。具体的には、「良い総合評価を連続3回取れば自動的に登用する」「1つでも突出して良い項目があればその期の登用試験にチャレンジできる」など、それぞれの状況に応じた基準を設けています。

 一方で、「契約社員の処遇は業績に応じてその都度決める」という企業もありますが、「やる気をアップさせる」という目的から言えば、たとえ大まかな基準でも公開しておく必要があると思います。
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■ 嘱託社員のポイント:健康状態をチェックする

 また、嘱託社員の評価基準を作る場合には、これまでの経験を重視して、一般的な行動規範に代えて『後輩の指導』等、その社員に特に求められる役割を高く評価することも、やる気アップに効果を発揮します。

 そして、定年後の再雇用による嘱託社員には、「無理なく仕事を進められる健康状態であるか」という評価基準を設けている企業も多く見られます。評価の機会を活用して、それぞれの社員の状況に気を配る姿勢が重要視されています。


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by e-team7 | 2009-08-24 09:27 | Q&A

第120号「二次評価」

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-◇-「二次評価」【に-じ-ひょうか】  

  人事評価において、直属の上司に続いて、さらにその上司が被考課者の評価を行うこと。

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■ 「二次評価」は怪しい存在?

 人事評価の運用方法をまとめた資料(マニュアル等)を見ると、必ず載っているのがこの「二次評価」という言葉です。皆様の会社ではいかがですか?

 企業によっては、直属の上司が評価したものを直接社長が決裁する、という運用を行っているところもありますが、比較的管理職の少ない組織でも、そのほとんどが部長や工場長による二次評価を経て社長決裁という形を取り入れています。

 が、しかし、このような企業様に「二次評価をどのように行っていますか?」とお聞きすると、決まって「各部長に任せています」とか、「まあ適当です」という答えが返ってきます。

 このように、実際の運用の場では、対象者の多い「自己評価」や「上司評価」の準備や評価に手間を取られて、本来の意味での「二次評価」の存在が怪しくなっているのではないでしょうか。
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■ 「二次評価」の意義と運用のポイント

 本来、「二次評価」の意義は、各部門の長(部長、工場長等)が、”部門全体”という広い視野のもとで評価を行うという点にあります。

 それでは、「二次評価」ではどのようなことを行えば良いのでしょうか。

(1)より高い見地から、被考課者の「働きぶり」を評価する
 部門長は、部門全体を見る立場であるため、どうしても直属の上司ほど被考課者の行動を詳しく観察することができません。
 そこで、部門内を広く見渡して、被考課者がどのような動きをしているかを常に気にしておき、部門の一員としての働きぶりを評価に反映させる という姿勢が求められます。

(2)各管理職(上司評価を行う人)の甘辛を調整する
 被考課者の直属の上司について、最も多くの情報を持っているのは各部門の長である部長や工場長です。
 各管理職の日頃の行動や性格から、甘め・辛めといった評価の傾向を判断し、その調整を行うことも重要な役割です。

(番外編)各管理職とざっくばらんに話す
 評価シートを次の考課者に回す際、面接を行っている会社も多いことと思います。
 各被考課者の日頃の働きぶりについて話し合うのはもちろんですが、せっかくの面接の場、先輩として、管理職の悩みや喜びを分かち合ってみてはいかがでしょうか。
 

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by e-team7 | 2009-08-17 09:11 | 用語
先日、この「小道具箱」のコーナー(?)にて触れました、考課者研修が行われました。

今回の研修に参加された管理職の方は、
多い方で4回目の受講(初めての方もいらっしゃいます)とあって、
「絶対評価と相対評価」に関する少し込み入った内容にも、
十分対応してくださいました。

さて、より実践的な演習、についてですが、
この企業様は、管理職の入れ替わりが多いのと、
小さな部署が複数あって、その相互交流が少ないという特徴があります。

このようなことから、
実践的な考課者研修の「王道」である、
”共通に知っている人について評価する”、ということが難しい状況にあります。

そこで、今回は「評価」ではなく、「評価シート」に焦点を当ててみることにしました。

まず、実際にそれぞれの部下を評価していただき、
「評価シート」が評価の流れを妨げることはないか、
「評価項目」の解釈に迷いはないかについて、
それぞれの意見を「グループ→全体」で共有する、という流れにしました。

それぞれ、
マニュアルが作れそうなほど「評価項目」を深く掘り下げたグループもあれば、
「付けやすかった」の一言で全員が納得したグループもあって、
意見が意見を呼ぶ形となり、全体発表の場が大変盛り上がりました。


人事評価を実際に進めていく中で、
「他の考課者はどんな評価をしているか」
ということは、どの考課者にとっても、大変気になるところです。

それを知るための手段として、
いろいろなアプローチを実践してみる余地がまだまだあるなあと、
とても勉強になる思いがしました。
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by e-team7 | 2009-08-13 10:39 | 【人事制度の小道具箱】
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-◇-「景気後退期におけるES調査の活用法~人と組織の絆を強くするESマネジメント~」
                    (産労総合研究所「人事実務」 2009年7月1日号)

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■ ES・ES調査とは?

 不況期にも打ち克つ組織へと変化するためのヒントを探るべく「ES(従業員満足)調査」を導入し、社員の声に耳を傾ける必要性が高まっています。
 重要なのは、企業の経営においてどのような位置づけでES調査を実施するのかという点です。

 ES調査の最大のテーマは「働く意味」を中心に絆を強めた組織づくりにエネルギーを費やしていくことです。

 そもそもESとは、社員が自社の価値観と自己の価値観を結び付け、自社で働く意味を理解し、「仕事を通じた自己の成長・人生の成功」を実現して社員と組織が相互に成長を促進する状態を指すのです。
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■ 人も組織も輝く組織の体質づくり
 
 組織の力を引き出す公式とは何か?それは、「個人の能力×絆の強さ×場」という掛け算です。社員と組織の価値観の結び付き度合いや、そのような絆を強めるための場の大きさによって、業績に大きな差が出てくるのです。

 組織が進むべき方向性を考える第1のステップとして「現状把握」が必要となります。それが「ES調査」の役割です。

 組織の現状把握をした後の手順としては、以下の3点が有効となります。

STEP1 会社と社員一人ひとりの価値観と夢を明らかにする活動
 クレド(Credo:信条)とは、経営理念を実現するために必要な社員共通の価値観をわかりやすい言葉で表したものです。
 会社の価値観を明確にし、社員一人ひとりの価値観を結び付けることは、社員の「帰属意識」と「参画意識」との両面に作用し、「自社の仕事に安心して取り組みながら自己の成長を実感する」というESの状態を創り出せるといえます。

STEP2 考え続ける組織を創るための改善活動の取組み
 ES調査の結果に関し、「組織としての問題点を抽出してチーム単位で改善活動を実践していく」のが「アクティブミーティング」という取組みです。
 とかく組織に関する目標は目には見えにくいものです。しかし、その達成に向けた指標やプロセスをあえて”見える化”することで、改善の風土を社員一人ひとりに植え付けることができます。

STEP3 ES向上型人事制度を始めとしたマネジメントシステムの改革
 この構築にあたり、まず定めなければならないものとして『ESクレドと連動した等級基準』があります。
 例えば、等級ごとに「ESクレドをどれくらい理解し実践できているか」ということを昇格基準とする方法は最近多くの会社で導入され始めています。
 自社のESクレドを理解し実践したとしても、短期的に、あるいは直接的に業績に結び付くとは限りません。よって、賞与や昇給にESクレドに関する評価を直接的に連動させることはなじみません。
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□ 社員の「意欲要因」に働きかける施策を

 加えて、この記事では、社員のやる気を高めようと給料を高くし続けても、それはすぐに「既得権」になってしまい、継続性がないと述べられています。
 また、真のやる気を高めるには、金銭的な報酬でけでなく、「仕事の充実感」「仕事への使命感」「同僚や上司、あるいは社会や顧客からの承認」などの非金銭的報酬(意欲要因)も含めた「報われ感」を提供できる仕組みづくりが必要であると締めくくられています。

 金銭的なインセンティブを付与することが難しい状況の中で、ESを高めるマネジメントの有効性がますます高まっているように思います。


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by e-team7 | 2009-08-10 11:14 | 話題
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-◇-「企業人事がこっそり教える! 給与決定のウラ側」
           (株式会社リクルート「リクナビNEXT」2009年7月)

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■ 転職経験者に聞く「転職時の給与、どうやって決まった?」

(1)転職に際し、給与アップの優先度はどの程度でしたか?
  →給与アップを目指して転職した人は2割程度

   仕事のやりがいやその他の条件がよければ下がってもよかった  35%
   前職当時と同額程度を希望していた                   32%
   できれば給与アップをしたかったという程度               13%
   給与アップははずせない条件だった                    9%
   その他                                      11%

(2)転職後、給与額は前職に比べてどうなりましたか?
  →アップした人の大半は「転職先の給与水準が高かったため」と回答
  
   アップした                                    35%
   同程度                                      31%
   ダウンした                                    34%
 
(3)いつ転職先の給与額が決定しましたか
  →最初の面接が決め手

   最初の面接時                                 57%
   内定通知の後                                 15%
   最終面接の時点                                 7%
   2回目以降の面接の時点(最終面接を除く)                5%
   内定の知らせを受けた時点                          5%
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■ 人事に聞く「転職者の給与、どうやって決めていますか?
 
 企業における転職者の給与形態は大きく分けてつぎの3つ。

(1)前給保証・考慮タイプ(前職の給与額を参考にする)
・前給を考慮しながら、自社の経験の長い社員との給与差が出ないように配慮(ホテル・旅行)
・前保証給に加え、スキルや実績、経験年数を紙して給与査定(医療・福祉関連)

(2)年齢・年功ベースタイプ(自社の年齢別賃金テーブルに当てはめる)
・過去の実績は自己申告で信用できない部分もあるため、年齢給のテーブルを使用。基礎能力や実績が評価できれば調整も可能(クレジット・信販)
・半自動的に決まるシステムなので応募者に納得を得やすい。経歴によってプラスアルファがあるので公平なシステムだと思う(不動産)

(3)成果・業績ベースタイプ(これまでの実績で決める)
・スキルレベルや実績、経験年数のほか、年齢や人柄・コミュニケーション力などを加味する。若年層でも努力しだいで昇給のチャンスがある(ソフトウエア・情報処理)
・最初は前給よりも低くなることが多く、経験者を雇いにくいのがネック。未経験者でも入社後の努力次第で給与が上がる(IT・通信系)
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□ 給与決定の「過程」や「根拠」が大切

 賃金の見直しの打ち合わせ終盤に、決まって出てくる議題がこの「中途採用者の給与をどう決めるか」についてです。
 この話題の際には、必ず「これまでどうやって決めてきましたか?」とお聞きするのですが、「その都度判断している」というお答えが多いような気がします。
 このアンケート結果を見ると、会社を選ぶ基準として「やりがい」を重視しながらも、面接時の雰囲気から給与が決まる過程や根拠を読み取ろうという姿勢が色濃く見られます。「その都度」と言いつつも、大まかな基準を定めておくことが求められているようです。


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by e-team7 | 2009-08-03 09:26 | 話題

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