人事制度の道具箱

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-◇-高原 暢恭 著
      「人事評価の教科書~悩みを抱えるすべての評価者のために」
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■ 本書の概要

 経営コンサルタントである筆者が、実際の評価者の声を聞きながら「人事評価」の全容を根本からわかりやすく解説しています。
 よく使われる「単語」や「理論」の長所・短所を解説し、その良否を読み手が考える仕組みを取っており、評価者としてのバランス感覚を養える内容となっています。
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■ おすすめポイント
 
 「私は、神様でもないのに、人事評価なんてできるわけがない。」

 筆者は、評価者研修でこのような声を数多く聞き、その原因として「何のために人事評価をしているかについての理解不足」、「人事評価の実務を理解していないこと」があると述べています。

 これらの問題を解消するために、筆者は、人事評価の「背景」を正しく理解し、それをもとに、人事評価の諸問題に対する「思考力を鍛える」べきであると結論づけています。

 そこで、この本では、その「思考力を鍛える」ための「ネタ」を、人事評価の「歴史」「つくり方」「フィードバック」「評価者訓練」「今後の課題」に分け、口語に近い表現でわかりやすく解説しています。

 この本の特徴は、「こうすべき」「こうあるべき」と言い切るのではなく、読み手自身が「あるべき人事評価」を考えながら読み進められるという点にあります。

 例えば、一般的に人事制度で使われる用語(「成果主義」と「能力主義」、「公開型評価」と「非公開型評価」など)も、比較しながら解説するに留め、その良否は読み手自らが判断できるようになっています。


 そもそも人事制度とはどういうものなのか知りたい、自社にとって最適な人事制度について再考したいという方におすすめの一冊です。

 
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by e-team7 | 2009-05-25 10:52 | 書籍
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-Q-昨年から人事制度づくりを進めており、評価制度がほぼ出来上がってきました。そこで質問ですが、制度を適切に運用するためには、初年度から評価結果を賃金に反映させなければならないのでしょうか?

-A-すぐに反映させる企業もあれば、社内が評価の運用に慣れるまで待ってから反映させる企業もあります。人事制度づくりの「目的」を振り返り、かつ、組織風土に合った選択を行うことがポイントとなります。

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■ 事例を見てみると・・・

 これまでお手伝いした企業を振り返ると、賃金を営業実績に適切に連動させるために業績評価中心の評価制度を作ったところ、経営理念を浸透させるために目標管理中心の評価制度を作ったところなど、実に様々なケースがありました。
 
 前者の場合は、初年度から評価を賃金に反映させましたし、後者はまず経営理念の周知を図り、賃金に反映させない評価を運用しながら2~3年間「慣らし運転」を行っています。

 この2社の違いは何でしょうか。
 それは、人事制度を策定する「目的(~させるために)」が異なっているという点にあります。
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■ 人事制度の「目的」に応じて柔軟な運用を

 人事制度づくりには、理念→評価→賃金→教育という標準的な流れがあります。しかし、この流れを最初から確実に運用できる組織は数少ないように思えます。実際に、この流れ通りに運用しようとして、本来の「目的」を忘れ、運用の方が「目的」化している組織も少なくありません。

 そこで、人事制度を適切に運用するためには、標準的な流れを一旦横に置いて、この制度を作った「目的」や、組織風土(管理職とその部下との間に信頼関係があるか、賃金に差をつけることを受け入れられる雰囲気かどうかなど)を考えながら、どれくらいの期間で、どのような段階を踏みながら進めていくべきかをまず最初に決定しておくことが大切です。


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by e-team7 | 2009-05-18 09:33 | Q&A
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-◇- 「中小企業の従業員のモチベーションを高める方策等に関する調査研究」
       (学校法人法政大学・アイエヌジー生命保険株式会社 2009年2月)
   ・調査期間:2008年5月~10月
   ・調査方法:〔実態調査〕
          中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画認定企業に
          選ばれた約3,000社に質問票を郵送し、576社から回答を得た
         〔ヒアリング調査〕
          上記実態調査回答企業のうち興味深い企業を研究員が選定し、
          約30社の訪問を実施した

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■ 実施の背景

 企業経営の成否は「人財」の有無・優劣にかかっており、優良企業のリーダーたちは「人財」への思いが強く「社員のモチベーションを高めることこそ自身の最大最高使命」というマネジメントを実践しています。
 法政大学とアイエヌジー生命は、従業員のモチベーション=「やる気」が、業績や売り上げという目先の利益への貢献のみならず、組織運営の円滑化や継続性という中小企業の経営基盤や組織力強化につながるものと注目しました。
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■ 調査の結果

 1.「過去5年間の売上高動向」と「従業員の勤労意欲の高さ」との間には相関関係がみられる
 2.「過去5年間の売上高動向」と「従業員の勤労意欲を高める上で効果的な施策」という2つの質問をクロス集計した結果、従業員の勤労意欲を高めるために実施している施策それ自体に優劣があるのではなく、各施策の運用方法が重要であることが分かった
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■ 調査のまとめ

 1.従業員のモチベーションの高い会社は業績も高い、という相関関係が存在する
 2.勤労意欲を高める諸制度の充実強化は、従業員のモチベーションを高める要素として重要である
   (目標管理制度や、経営への参画意識の醸成、経営情報の公開、なんでも言える社風、社員旅行など)
 3.上記の諸制度は、企業によっては全く効果がなかったとする実例もあり、制度そのものの有用性に頼るだけでなく適切な運用が肝心である 
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□ 人に関わる施策は「運用次第」?

 今回ご紹介した調査は、今後さらに細かい分析が行われるようです。
 人事制度のみならず、「人」に関わる施策を考える時には、内容のアイデアも重要ですが、運用の方にさらに知恵を絞らなければなりませんね。


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by e-team7 | 2009-05-12 10:11 | 話題

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