第210号「人事考課表のイメージ案を作るには?」
-Q-人事考課制度を導入したいと考えています。まずは考課制度がどのようなも
のであるか従業員にイメージしてもらうために、考課表の案を作りたいと思
っています。どんな手順でまとめれば良いでしょうか。
-A-事例を参考にしたり、考える過程を省略したりしながら、できるだけ短時間
のうちに考課の対象となる項目を作り、全体の構成を決めることが大切です。
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■ 考える過程をシンプルに
人事考課表について、”これを必ず項目に入れなければならない”というものはありません。
それは、人事考課の対象となる項目が、人事考課制度の導入目的と密接に関わり合っているからです。
例えば、同じ業種でも、「お客様のニーズに応える」といった”経営理念の浸透”を目的とすれば、「サービス向上のための提案を行っていたか(提案力)」という項目が考えられますし、一方で、”営業部隊の成績向上”が目的となれば、「売上高前年比○○%アップ(売上伸び率)」という数値項目も登場してきます。
目的が複数であれば、これらの項目の組み合わせを考えていくことにもなります。
とは言え、イメージづくりのための考課表は、短期間で作ることが大切です。導入目的を掘り下げたり、仕事の流れを調査したり、管理職の仕事内容を定義づけたりすることも大切ですが、案を作る段階でこれを完璧にこなそうとすると、経営陣が早くも疲れてしまったり、複雑すぎる考課表を見て従業員がかえってマ
イナスなイメージを持ったりする場合もあるからです。
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■ シンプルな考課表案づくりのポイント
イメージづくりのための案を作る段階では、大きな所を大きく押さえておくことが、作る側のイメージ作りにも役立ちます。その際のポイントは、つぎの通りです。
(1)代表的な視点から、切り口を2つ選んでみる
人事考課表の事例等をまとめると、下記のように、共通の切り口が見えて きます。これらの切り口から、自社が苦手なもの、もっと高めたいものを2つ程度選び、項目設定の切り口とします。
1)社会人としての基本動作(挨拶、身だしなみ、報告・連絡・相談など)
2)経営理念・行動基準に対応した行動(積極性、提案力、協調性など)
3)職務・役職に応じた行動(折衝力、統率力など)
4)上記行動に伴う成果(売上アップ率、コスト削減額、目標達成率など)
(2)全体の構成を考える
項目がある程度設定できたら、考課表全体の構成を考えます。具体的には、上司評価欄だけでなく自己評価欄も設けるか、各項目に対する5段階評価のみとするか、他に何か記入欄を設けるかどうかといった内容を決めていくことになります。
この場合、評価項目だけの考課表では、考課が一方通行になりやすいため、自由記入欄や仕事のプロセス(工夫したこと、頑張ったこと)を被考課者に記入してもらうスペースを設けると、考課表に対するイメージが向上するようです。
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