第151号「ハイブリッド人事制度」
-◇-「ハイブリッド型人事制度」【はいぶりっど‐がた‐じんじ‐せいど】
評価を「絶対評価」、配分を「相対評価」で行なう運用方法の一つ。
おもに、考課者間の「甘辛」の差が大きい場合や、あらかじめ決められた原資の中で給与や賞与の配分を行なう場合に用いられる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
■ 人事制度にも「ハイブリッド」?
ある辞書によると、「ハイブリッド」とは「異なったものを混ぜ合わせること」とされています。
人事制度でいう「ハイブリッド」とは、「絶対評価」と「相対評価」を文字通り「混ぜ合わせる」という意味を持ちます。
この考え方は、最後まで絶対評価(配分)をしたいけれど、実際の運用では、なかなか難しいという人事制度の一面を映し出しているように思います。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
■ どう「混ぜ合わせる」?
基本的な考え方としては、「絶対評価」の短所を「相対評価(配分)」で補うことになります。
○「絶対評価」の長所
・他人と比較されることがないため、被考課者の納得性が高まる
・フィードバックしやすい
×「絶対評価」の短所
・評価が甘くなりやすい
・考課者の評価スキルが結果に直結する
○「相対評価」の長所
・無難な結果に落ち着く(考課者のエラーが中和される)
・運用が簡単である
×「相対評価」の短所
・個人の評価結果が全体の成績に左右される
・フィードバックが難しい
考課者の評価スキルがまだまだ未熟な場合や、評価による処遇の差をあまり付けたくない場合の運用には「ハイブリッド評価」がよく用いられますが、考課者の習熟度や、人事制度に対する社内の理解度が向上するにつれて、絶対評価(絶対的配分)の比重を上げていくことが大切です。
☆今回の用語解説はいかがでしたか?
「うちの会社も相対配分しているなぁ」という方、ぜひクリックをお願いいたします。
(「もっと頑張れ!」という方も大歓迎です)。