第12号「自分で『選ぶ!』人事制度」
◆人事制度の道具箱◆
第12号 2007.5.11
~有限会社e-team http://www.e-team.jp/ ~
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こんにちは。今回は、以前取り上げた話題について詳しくご紹介します。
大型連休でお疲れの方には恐縮ですが、いつもより本文が長くなっています。。
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■ 人事の”いま”を読み解く「旬な話題」第4回
「自分で『選ぶ!』人事制度(サイボウズ株式会社)」
~産労総合研究所「人事実務」2007年5月1日号~
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〔記事要約〕
サイボウズでは、2007年2月より、新人事制度「年功重視型制度」を導入した。
これにより、従来からの「成果重視型制度」との2つの人事システムが並存
することとなり、社員は部署や職種などに関係なく、どちらの制度を選ぶか自由
に選択できるようになった。
①「成果重視型人事制度」の概要
四半期ごとに目標管理の面談(チャレンジ面談)を実施し、過去の結果で
何点だったからどうという、いわゆる成果主義から、そうした結果も踏まえつつ、
これからどんなことができるのかという能力主義的なものに変えた。
評価の仕方も、5段階の相対評価から3段階(S,A,B)の絶対評価に改めた。
従来は100近くあった賃金テーブルも改定し、役員クラスと新入社員を除き、
11段階に変えた。
賃金は年俸制で、3段階の評価で昇給が決まる。原則S評価を取れば2段階
昇給、A評価なら1段階、B評価ならステイとなり、降格は通常ない。
賞与は完全な業績連動型で、テーブルごとにポイントを持っており、全社の
売上目標を達成した月には、ポイントと達成率に応じてその月の利益を分け合う。
最終評価を決める評定会議では、社長以下執行役員全員が集まり、約140人の
社員全員一人ひとりについて判定し、執行役員が自分の部下に対して必ず
フィードバックをし、なぜその社員の評価がそうなるのかを説明できるように
している。
②「年功重視型人事制度」の概要
長く働いてもらうためには、周りとも協調しながら、各人の役割をきちんと
真面目に遂行することが大切との考え方から、勤怠を重視している。
賃金については、初任給は成果重視型と同じだが、等級はなく、賃金テーブルは
成果重視型の中央部分にあたる金額を上限に44段階に細分。
昇給は、役割に対するプロセス(取組み姿勢、勤怠)によって評価をして決定する。
評価はA,Bの2段階で、Aで1段階、Bはステイ。
賞与は年1回で、勤怠の評価を基にしている。年間の遅刻早退回数によって、
その年の月額給与を基準に計算して支給される。5年間継続勤務した社員には、
その年の月額給与1ヵ月分も支給される。
③成果重視型と年功重視型の選択・移行
成果重視型と年功重視型の選択は、1年に1回、期末評価のタイミングで
実施する。筆記試験などは一切実施しない。
給与は、成果重視型から年功重視型の場合は、そのまま同額で移行する。
逆に年功重視型から成果重視型の場合は、同額での移行はできないケースもある。
■□ 「長く働いてもらう」という発想 □■
最近の景気の回復基調や企業の人手不足感に対応して、人事制度の目的も、
「頑張って成果をあげる」ことから、このサイボウズのように「頑張りながら
長く働いてもらう」という考え方に移り変わってきているように思います。
これまで、人事制度は「頑張る」ことに対して「数字」や「コンピテンシー」
で対応してきました。これからは「長く働きたい」人のニーズを満たすために
企業独自のアイデアが必要になってきそうです。
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