第253号「自分でやった方が早い病」
-◇-小倉 広 著
「自分でやった方が早い病」 星海社新書 2012年 820円
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■ 本書の概要
初めて部下ができる30代を中心に、「自分でやった方が早い」と考え、自分ひとりで仕事を抱え込んだ結果、周囲や組織の成長を妨げてしまう傾向が見られます。
本書では、これを「病」と捉え、その”症状”と”処方箋”を紹介しています。
人事考課の研修などで、「信頼関係」という言葉が気になった時におすすめの一冊です。
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■ おすすめポイント
「部下に仕事を任せられない(=自分でやった方が早い)」
部下をお持ちの方ならば、必ずこう思った(現在も思い続けている)経験があることと思います。本書では、この症状を「自分でやった方が早い病」と名付けています。
この病状が進むと、仕事がオーバーフローして心身の調子を崩したり、気持ちに余裕がなくなったりして、ついには寂しい老後を迎えることになると本書では述べています。
この病気の最大の原因は、『他人を信頼していない』ことにあり、これを克服するために、管理職には、『痛い目に遭い』ながら『何百回も失敗することを前提に』、長期的な視点で部下に仕事を任せることを勧めています。
本書では、その「任せ方」に関して、権限の与え方やアドバイスの方法・心構えが解説されています。特に「心構え」に関しては、著名な経営者の言葉や格言が多く紹介されていて、この病を抱える管理職には『人としての成長』を強く求められていることがよく理解できる内容となっています。
人事考課の目的として、「(管理職と部下)相互の成長」が掲げられることが多くありますが、それを支えるのは人事考課(の結果)に対する”部下(被考課者)の納得性”です。
日頃から、それぞれの部下に合った仕事を任せ、その成果をもって人事考課を進めていける上司でありたいものですね。
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